GOLD BOY〜不良彼氏〜
★ねぇねぇ女子
夏休みもあっという間に明け、秋に入ろうとしてるのに蝉が五月蝿いある日の学校。
「お前らーっ!根性もういっぺん叩き直してやろうかーっ!」
今日も三年の廊下には、生活指導の天沢先生の声が響き渡った。
もちろん追いかけられているのは菊哉と葵とその他の男子数名。
"不良"といった言葉がとてもお似合いな男子達は、今日も天沢先生を振り回す。
天沢先生も今年三十路なのに可哀想だな、と今じゃサボり魔の私は廊下を見ながら思った。
私のクラスは今は3時間目で理科の授業中。
ゆずも同じクラスで、眼鏡をかけて真面目に授業を受けている。
葵と菊哉は違うクラスで、今は美術の授業らしく美術室から抜け出してきたらしい。
理科の授業はあまりにもつまらなくて、私も教室を抜け出したくなった。
………けど、不良になるのはごめんだから止めておいた。
それから、しばらく廊下を走る葵たちを見てると、葵とバッチリ目が合ってしまった。
……げっ。
嫌な予感がした。
すると、予感が的中したみたいで葵がこっちに向かって走ってきた。
いやいやいや!
来なくていいって!
今授業中だから!
私真面目なんだから!
この後昼休みだから!
その時話そうよ!
だから来ないで!
.