GOLD BOY〜不良彼氏〜
いつの間にか、心配そうな目で葵を見ていたらしく、葵は私の手を握ってきた。
そっと握られて、それだけでも嬉しくて私も握り返した。
葵がイライラしてるのは、たぶん菊哉がやる気なそうに反省文書いてるからだと思う。
数分経った今、菊哉は一向に反省文を書き終わらない。
何か私までイライラしてきた。
「菊哉早くしてよ!」
私はイライラ度がMAXを達して、私より低い位置にいるヘラヘラ菊哉に怒鳴り散らした。
その怒鳴り声を聞いて、
隣にダルそうに壁に寄りかかる葵も、近くの椅子にいつの間にか座ってるゆずも目を丸くした。
でも一番目を丸くして驚いていたのは、イライラの原因ヘラヘラ菊哉だった。
驚いてる暇あんなら、さっさと反省文書けよ!
こっちは早く帰って見たい再放送ドラマがあんだよ!
「今から一分で書き終わらなかったら私一人ででも帰るからね。私一人で帰ったら怒るのは葵だからね。でも怒る相手は菊哉なんだからね!」
マシンガンのように喋った私は、喋り終わったときには息切れしててハァハァしてた。
何で私がこんなにエネルギー使ってヘラヘラ菊哉のために喋んなきゃなんないのよ。
冗談じゃないっての。
息切れしてる私は上手く呼吸出来なくなって苦しいあまり、葵の手を握る力を強くした。
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