GOLD BOY〜不良彼氏〜



真っ赤なギャルは恥ずかしくて話すことも出来ず、もう一人のギャルが話し出した。



「葵くんって、裕吾くんと知り合いだったよねぇ?」



突然出てきた裕吾の名前。



葵の表情が強張った。



「ああ。で、何?」


「うちら裕吾くんと友達になりたいんだよねぇ。だから、紹介してくんないかなぁ」



このギャル達は、健吾さんと双子の裕吾さんと友達になりたいらしい。



でも目的はたぶん、自分たちの地位を上げるためなんだろう。



裕吾さんはあまり学校には来てないけど、この学校では有名で怖がられてる人物。


その人物と友達ってなったら地位は上がるし、普通の生徒から見たら頭が上がらなくなる。



そんなどうでもいい地位を上げたいがために、裕吾さんを利用するのかと考えるだけで、


裕吾さんが可哀想に思える。



たぶん、葵もそういう目的だと最初から分かってたんだろう。



威嚇するようにギャルを鋭い目つきで睨んだ。



「ごめんね。俺そういうのめんどくさいから」



優しい口調とは反対に、声は低く不機嫌さをアピールしてる。



そのまま、私の腕を掴んで教室を出て行った。




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