GOLD BOY〜不良彼氏〜
ギャル達は相当きつい香水をつけていたらしく、近くまで寄った葵からプンプン匂いがした。
どこに向かってんのかと思ったら空き教室に連れてこられて、終いには葵はお昼寝タイム。
「葵!葵!」
「…何?」
「起きてよ!」
まだお昼のパンを食べ終わってない私のお腹からは、グーグーと音が聞こえた。
食べるのが早い葵は、パンを完食したからお腹いっぱいなのかもしれないけど。
私はお腹が空いたままだ。
だから、教室に置いたままのパンを取りに行きたいんだけど―…
「何だよ」
眠くて不機嫌な葵様は、空き教室から私を出してはくれないようです。
上目遣いで睨んでくる葵に逆らうことは出来ず、その場から動くことは出来なかった。
仰向けで気持ちよさそうに寝る葵。
その隣で私はお腹をグーグー鳴らしながら体操座りでうずくまっていた。
……しかしムカつくな。
あまりにも暇な私は、さっきのギャル達を思い出してしまった。
あんなに近くにいた私には一切話しかけてこないし触れてこないギャル達にムカついていた。
私って、そんなに影が薄いのかなって不安になった。
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