GOLD BOY〜不良彼氏〜
隣でほんとに気持ちよさそうに寝る葵を見てると、だんだん腹がたってきた。
ギャル達といい葵といい、私を空気扱いしてるかのように私の存在を無視してて腹が立つ。
影薄いのかもしれないけど、いるのかいないのか分からないのかもしれないけど、いてもいなくても同じなのかもしれないけど。
ちょっとは気にしろよ!
ギャル達は他人だからいいとして彼氏の葵は気にしろよ!
彼女だよ!私はあんたの彼女だよ!
気にしろ!少しは気にしろ!空気扱いすんな!
―…とは叫ばないものの、気持ちよさそうに寝てる葵の肩を掴みぐらぐらと揺らした。
「いてぇよ」
何度か揺らすと葵は不機嫌そうに声を出して、やっと起きた。
「痛くしてんだよ」
「俺に恨みでもあるのかよ」
「あるある。たくさんある」
「は?マジかよ」
お昼食べさせてくれなかったから私だけ腹ぺこで気力無いし。
ギャル達のキツい香水移してきてるから、鼻にツーンてきて頭ガンガンするし。
彼女の私を空気扱いして気持ちよさそうに寝ちゃうし。
寂しかったし。
「ひどい!葵ひどい!」
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