GOLD BOY〜不良彼氏〜



もちろん、こんなかっこいいんだから中学の時はモテたに違いない。


もしかしたらファンクラブくらい普通にあったのかもしれない。


不良のくせに
悪かったくせに


モテてた葵はズルい。



自分の中の妄想だけで勝手に思い込んでいたあたしは確実に悪い方向へと考えを広げていった。




「お金とりますよ、お嬢さん」


「…ふぎゃっ!」


「お前はブタかよ」




あんなにぐっすり眠っていた葵を安心して見つめていたら


いきなり目が開くもんだから



あたしは驚きすぎて、何の鳴き声かも分からないような声を出してしまった。




「っていうか、お金って……」

「見物料」

「…っはあ?!」




何!?見物料って何!?

ここは博物館ですか?

美術館ですか?

展示会でも行われてるんですか?

なんなんですか?



思考回路が回らない馬鹿なあたしの頭を治そうと思ったのか葵はあたしの頭を叩いた。




「いった!」




しかも思いっきり。

手加減なしで。



本当に訳が分からないこの男の言動の次にこの行動で更に考える力が減ったと思う。





.
< 13 / 459 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop