GOLD BOY〜不良彼氏〜



泊まってくって言われても、夏休みの半分以上葵と一緒に過ごしてたから、そろそろ勉強しなきゃなんない。



いつの間にか高校三年生になってて、来年進学するか就職するか選ばなきゃなんない。



どっちにしろ、定期テストがあるから勉強しなきゃなんないんだけどね。



「今日は帰るよ。定期テストも近いし」


「定期テスト近いっけ?」


「え、うん。でも確かあと1ヶ月はあったと思うけど…」



鞄の中からスケジュール帳を出して確認してみると、定期テストは一週間後に書いてあった。



………。うぞ。



葵は、タンスの引き出しで何かを探しながらも、私の声だけは聞こえてるみたいで。



「ん?どうした?」


「……やばい」


「自分の顔が?」


「死ね」



ちゃんと応答する。



「冗談だって。で、何がやばいの?」


「定期テストまで………あと一週間しかない」


「ふーん。……って、は?」



高校三年生になって今、私は留年の危機が訪れようとしているのです。



………あと、葵もね。



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