GOLD BOY〜不良彼氏〜



葵の感覚はやっぱりどこかおかしいと思う。


普通、彼氏か彼女が裸で部屋にいたら、恥ずかしくて直視出来ない。



私なんか上半身裸なだけでも直視出来ないのに、上半身裸で近付いてくる葵が信じられない。



まだ隣に葵が座ってるから、私は体を動かすことが出来ずにいた。



きっと葵には恥ずかしいって気持ちが無いんだと思う。



だから、こんな格好で私に近付いてくるんだ。



「顔赤いけど平気?熱あんじゃねぇの?」



私が恥ずかしくて顔を赤らめてんのを気付いてるくせして、私のおでこに手を当てる。



「熱はねぇな。じゃあ、何でそんなに顔赤いんだ?」


「あんたが裸だからでしょ!?」


「下履いてるけど?」


「そういう問題じゃない!」



私はあまりにも恥ずかしくて、これ以上上半身裸の葵といたら狂いそうだったから、葵の部屋から出た。



バタンと大きな音をたてて閉まる葵の部屋のドア。



出る直前に、『着替え終わったら呼んで!』と葵に向かって叫んでおいた。



部屋の前で、私一人で葵の着替えを待ってると、


葵のお兄さん緑兄の隣の部屋が、ゆっくりと開いて、そこから葵より少し小さい男の子が出てきた。



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