GOLD BOY〜不良彼氏〜



「…っ!」

「…っ!」



誰だろうと気になってその男の子を見つめてたら、男の子がその視線に気付いたのか振り向いてきた。



お互いに目が合ってビックリしたけど、私のビックリした理由はもう一つあった。



「もしかして………葵兄の彼女さんですか?」



これまた葵にそっくりで、葵ほどかっこよくはないんだけど一般的に見たらイケメンに入る顔で――…


雰囲気なんか、葵の雰囲気と同じで、緑兄よりも葵に似てた。



んで、何よりビックリなのは、その格好。



下は制服らしきズボンで、靴下は暑いのか履いてなくて、そして上は葵と同じく、何も着ていない。



「あれ?違いますか?……あ!もしかして緑兄の彼女さんですか?」



こっちに近付いてくるその葵似の男の子からは、甘いコロンの匂いがした。



優しい問い掛けにすら答えることが出来ない私は、


ひたすら裸の上半身を見ないようにするにはどうしたらいいか考えていた。



………。思いつかない。



すると、考えが思いつかない私のすぐ後ろで、本物のあの人の声がした。



「緑兄のじゃねぇ。俺の」



そんなことを言うのは一人しかいないから分かっていたけど、


そっと振り返ると、そこにはスウェット姿の葵がいて、ホッとした。



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