GOLD BOY〜不良彼氏〜
"俺の"だなんて、自分を物みたいに言われて少しムカついたけど、
やっぱり私は葵の彼女なんだと実感出来て浮かれてたから、そんな事はどうでもよくなった。
葵と葵似の男の子に挟まれる形になった私は、どっちに顔を向ければいいのか迷った。
けど、それはすぐに解決された。
「ああ!あの噂の美鈴さんか!んじゃ、ごゆっくりー」
葵似の男の子は、にっこり笑って小さくお辞儀し、そのまま玄関に一番近い部屋に入った。
私には『あの噂の美鈴さん』ってところが妙に気になって、その場で意味を考えてた。
あの噂ってことは、たぶん葵が今の男の子に私のことを話したことがあるんだと思う。
じゃあ何て話したのかな。
もしかして、普段の私をそのまま話してるだけとか?
だったらどうしよう!
普段はかなり暴言を吐いてる私をありのままに話されてたら、私の印象って最悪なんじゃ…!?
「ねえ、今の男の子……誰?」
「弟の城人」
…っえ?!
あれで中学生?!
あの背格好で中学生?!
私にはかなり大きめに見えた葵の弟の城人くんは、弟って知らなかった時は高校生にしか見えなかった。
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