GOLD BOY〜不良彼氏〜
★一匹おおかみ
「起きろって、おい、美鈴!」
「んー…っ」
もう朝?
って…葵のやつ男のくせに朝起きんの早いんだけど。
あたしが呑気にのんびり布団から出ようとして、やっと焦点があったと思ったら目が点になった。
それはスーツ姿の葵がいたから。
「今日って何かあったっけ?」
「は?お前忘れたの?先生の結婚式だろ?!」
「結婚し…き………結婚式?!」
すっかり先生の結婚式が今日なんて忘れてた。
そういえば昨日は葵が結婚式のためにスーツが無いからスーツを買いにデパートに行ったんだ。
あちゃー。
ってか今何時!?
っげ、8時43分!
9時30分には出なきゃ間に合わないって言われてたのに!
「シャワー浴びてくれば?昨日ので汗かいてんだろ。ワンピースは出しといてやるから」
「っき、昨日のでとか言わないでよ!恥ずかしいから」
「事実だからいいじゃん。てか早くシャワー浴びてこいって」
昨日の夜の行事を思い出してしまった。
顔が茹でタコ状態のあたしを無理矢理お風呂場に押し込むと葵は『早くしろよ!』とドアの向こう側で叫んでた。
葵は休みになるとだいたいあたしんちに泊まりに来るから
あたしの洋服がある場所も全て把握出来てる。
葵の第二の家みたいになってる。
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