GOLD BOY〜不良彼氏〜
お世辞でも綺麗とは言えない部屋は、真ん中にガラステーブルがあって、
その上にジュースやお菓子が散らばっていて、中には煙草と灰皿も置いてあった。
広さは広くも狭くもなく、私と葵が入って丁度いいくらいになった。
でも、密封状態になったこの部屋には、ギャル系の女の子達の香水の匂いが充満してる。
それに耐えきれそうにない私は、入って数分しか経ってない今でも出たくなった。
「美鈴ちゃん、何か飲む?」
みんなそれぞれが楽しく騒いでる中、私だけ気持ち悪くて俯いてると、慎悟くんが声をかけてくれた。
「うん。あのー…、お茶とかあるかな?」
「あるよー。ちょっと待ってね。今淹れてあげる」
そう言って、お茶の入った紙コップを私に渡してくれた。
お茶を喉に通すと、冷たくて、少しだけ気持ち悪さが無くなった。
「何かごめんね。こういう集まり苦手だったよね」
慎悟くんは私の隣に座ると、煙草に火をつけて口に銜えると、困った顔をした。
「俺が今日は女が集まりにいるし、美鈴ちゃんも連れてきたら?って葵に言っちゃったんだ」
「…」
「余計なお世話だったよね」
慎悟くんの言ってることがイマイチ分かんなくて、俯いてた顔を上げた。
たぶん、私が相当帰りたいって顔をしてたから、こんな事を言ってくれてるんだと思う。
でも――…
「何で……あたしを連れてきたらって葵に言ったの?」
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