GOLD BOY〜不良彼氏〜
お茶を口に含んだ私に、慎悟くんは優しく微笑むと、
「美鈴ちゃんが知らない所で、葵が他の女の子が話してるの、俺的に嫌だったからさ」
騒ぐ周りに聞こえないくらいの小さい声で、そう言った。
慎悟くんは相当優しいのかもしれない。
確かに、私が知らない所で葵が他の女の子と話してるのを知ったら、いい気はしない。
でも、それを慎悟くんは分かってくれて、まるで自分が嫌だったからと言ってくれた。
今こうやって、目の前でベタベタされてんのを見るのは辛いし見たくない。
けど、自分が知らない所で、こうやってベタベタされてるよりは、全然耐えられる。
そんな、乙女心を分かってる慎悟くんのポケットに入ってる携帯が鳴った。
「もしもし?…あ?ああ。は?マジで言ってんの?…ああ、分かった。今すぐ出る」
電話だったみたいで携帯を耳に当てて、話し終わると、
その場から立ち上がった。
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