GOLD BOY〜不良彼氏〜
でも、その後すぐに背後から何かを感じた。
それと同時に、カツカツと足音が後ろから近付いてくるのが聞こえた。
………ちょっと待ってよ。
ほんとに私襲われんの?
まだ18歳なんだよ?
結婚だって、妊娠だってしてないんだよ?
勝手な行動したままなんだよ?
葵を置いてきちゃったんだよ?
まだ死にたくないのに―…葵とちゃんと話してないのに……もやもや取れてないのに……。
乙女心と女心の両方を分からない葵に、まだこれから教えなくちゃいけないことがたくさんあるのに―…
肩に、そっと後ろから手が置かれた。
「ぎゃあぁあぁあっ!!!」
叫ぶだけ叫んで、気絶しそうになったら思わずしゃがんでしまった。
「……俺だけど」
頭上から聞こえてきたのは、さっき外へと出ていってしまった慎悟くんの声だった。
「…なんだ……慎悟くんか…」
てっきりお化けの手かと思ってたから、まだ心臓がドクドクと早く脈をうってる。
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