GOLD BOY〜不良彼氏〜



「もしもし、葵?お前まだ俺んちにいんの?あ?ああ。美鈴ちゃんなら俺が送ってく」



私がひとりぼっちが嫌で、勝手に慎悟くんの家を出てきたことを知ってる慎悟くんは、



私が葵と話したくないと分かってるからか、葵と話してあげると、葵に電話してくれた。



「は?美鈴ちゃんが1人で出てきた理由お前知ってんの?元はといえば葵の所為なんじゃねぇのかよ」



でもなんだか、エスカレートしてるようにも思える。



今、慎悟くんの家にいる葵は慎悟くんの話を聞いてどう思ってるんだろう。



葵と電話で話す慎悟くんの声しか聞こえない私は、またひとりぼっちな気分になった。



「今日は俺が送るから。お前は胸に手ぇ当てて考えてろ、じゃあな」



一方的に電話を切ろうとする慎悟くんの携帯の向こう側から、



『ふざけんじゃねぇぞ慎悟!今どこにいんだよ!美鈴に手ぇ出したら容赦しねぇからな!』



怒鳴り散らす葵の声が聞こえた。



その声を無視するように電話を切った慎悟くんは、溜め息をつくと先を歩き出した。




「葵と付き合うのって大変でしょ?あいつ結構鈍感なとこあるからね」




振り向いてそう言うと、再び先を歩き出した。



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