GOLD BOY〜不良彼氏〜
さっきから無言のまま、私より1m先を歩く慎悟くんは、途中煙草を銜えながらコンビニに入った。
何か買うものでもあるのかな。
どこのコンビニなのかも分からない私は、慎悟くんについてコンビニに入るしかなかった。
入ると、いつ選んだのか分かんないくらいに、
ファンタを2つ持って、レジに並んでる慎悟くんがいた。
夜中だから人は少なく、慎悟くんはすぐにレジを済ませると、すぐにコンビニから出た。
ファンタを2つ買いたかっただけみたいで、慎悟くんは再び先を歩き出した。
「ねぇ、慎悟くん」
「ん?」
「ここって……」
「ここがどうかした?」
慎悟くんが歩き出した足を止めた場所は、
何故か、私と葵が一週間に一回は来るほど、よく遊ぶ公園だった。
慎悟くんは近くにあったベンチに腰を下ろして、先ほど買ったファンタに口を付けた。
いったい慎悟くんは何を考えてるんだろう。
何を考えて、葵の好きなファンタを2つ買って、私たちがよく来る公園に寄ってるんだろう。
ベンチに座る慎悟くんの前に立ち尽くす私は、無言で、そんなことを考えていた。
.