GOLD BOY〜不良彼氏〜



黒いちょっとクセのある綺麗な髪がいつも羨ましくて、何回か無理矢理抜いた時もあった。



おまけに、性格は最悪で最低なのに顔はかっこいいから、女子にはとにかくモテた。



でも、私にそんな感情が芽生えるはずもなく、芽生えたことがあるといったら、殺意ぐらい。



ほんとにムカつく性格。

刺してやろうと何度思ったか。

それなのにモテる。

だから余計ムカつく。



「マジで可愛いんだけど。君も写メ撮ってもいい?」



やっと、イスに座ってメニュー見て大人しくしてくれると思ってたのに――…



「ナンパは他でやってくんない?」


「ん?何?」


「聞こえてんでしょ?」


「え?何?聞こえませーん」



耳に両手を当てて聞こえないフリをするのは、わざとそうやってるのとしか思えない。



こいつは極悪な性格だ。

だから嫌いなんだ。

なのに何故かモテる。

だから余計に嫌い。



ムカついたから睨むと、その悔しいほど透き通った綺麗な瞳で睨み返された。



そんな私と仁のやり取りを前にして、

やっとヒョウのコスプレをしてる女子はウエイトレスの仕事に戻った。



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