GOLD BOY〜不良彼氏〜
着替え終わり髪を整え化粧もし終わり結婚式に行く準備が出来た。
「着替え終わったよ」
ドアを開けて部屋を出てみても
葵の姿がどこにも見つからなかった。
声も音すら聞こえなくシーンとしてる二階は不気味にも感じ素早く一階まで下りた。
一階に下りても葵の気配はなく
もしかしたらあたしの支度が遅いから先に結婚式場に行っちゃったんじゃないかと思った。
少しくらい待っててくれてたっていいのに。
確かに寝坊はしたけどもさ。
待っててくれるくらいいいじゃない。
てっきり先に行っちゃったと思ってた葵に追いつこうと早めにバックに荷物を詰めた。
「なに急いでんの?」
あたふたと1人で急いでるあたしを二階から楽しそうに見ているのは先に行っちゃったはずの葵。
「…なっ!先に行っちゃったんじゃないの!?」
「は?」
「だって…どこにもいなかったじゃん」
二階から下りてきた葵は当たり前のように平然とした顔でこう答えた。
「トイレ行ってた」
………ああ、そう。
この時、人の勘違いと早とちりがどれだけ恥ずかしいことなのか改めて実感した。
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