GOLD BOY〜不良彼氏〜
無言の私に、神崎は口を開いた。
「俺ライブやるんだ。だから、クラスのには参加しなくてもいいってこと」
教室のドアに寄りかかって、胸の前で腕を組んで偉そうな態度の神崎が、少しムカついた。
だから、
「あんたがライブなんか出来んの?確か音痴じゃなかった?」
たっぷりと嫌みを言ってやった。
でもその嫌みは、大魔王神崎の手によって、何倍もの嫌みでお返しされた。
「つーか、お前何で1人なわけ?佐々木葵と一緒じゃねぇの?」
っ!ここで?!ここでそこに突っ込み入れるの?!
神崎は、私と葵が喧嘩してんのを知らないはずなのに、何か一緒にいない理由を知ってるみたいだった。
顔がにやけてる。
ってか、バカにしてる。
私をバカにしてる。
「あれだろ、あれ」
クスクスって軽くバカにした笑い方で私はムカつき、
その、まだ偉そうな態度がもっと私のムカつきを増やした。
だから、うんと声のトーンを低くして呟いた。
「あれって何よ」
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