GOLD BOY〜不良彼氏〜
神崎は意味深そうな笑みを浮かべて、
「喧嘩したんだろ?お前ら」
なんて言いやがった。
誰から聞いたの?
私、ゆずと菊哉にしか喧嘩したこと言ってないのに。
…どういうこと?
「何でそうなんの?」
「お前ら2人は知らねぇのかもしれねぇけど、意外と有名なんだよお前らカップル」
………は?
廊下をたくさんの人が行き交って肩がぶつかりそうになったから、私も壁に寄りかかった。
「まぁ有名なのは佐々木葵の方なんだけどな?お前じゃなくて」
"お前じゃなくて"、と付け加えられたから余計にムカついて、隣にいる神崎の足を踏んだ。
「いってぇ…!」
「で、何が言いたいわけ?」
「え?」
「有名だから、何?」
私たちカップルが有名だから何なんだって話なわけで、神崎が何を言いたいのか分かんない。
神崎が痛そうに自分の足を見るから、可哀想になってきて、神崎の足から自分の足を退けた。
やっと私の足の重みから解放された神崎は、さっきの続きを話し出した。
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