GOLD BOY〜不良彼氏〜



「お前と佐々木葵が喧嘩してんのだって、すぐに噂になんだよ、っつうこと」



制服のズボンのポケットに手を突っ込んで、更にその態度が憎たらしく見えた。



「……あれは?知ってる?」



でも葵のことになると、弱気になる私の声。



いつも強気な口調の私ではないことを読み取ったみたいで、神崎は満足げだった。



「喧嘩の、理由」



私と葵が喧嘩してるのは噂が回ってて有名らしいけど、喧嘩の理由はどうなんだろう。



もし、私がひとりぼっちになって惨めな想いをしてた、なんて噂で回ってたりしたら………



その方がよっぽど、私は惨めになるに違いない。



でも葵からしたら私は、



一人で怒って、出て行って


話してくれなきゃ分かる訳ないのに

全然自分のことを分かってくれないと喚いて


しまいには他の男の方が自分のことを分かってくれるなんて怒鳴って



超勝手な彼女だ。



そんな私の噂が回ってるのだとしたら………私は、この学校生徒全員を敵にまわした。



いや、日本人を敵にまわした。



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