GOLD BOY〜不良彼氏〜
あたしの家の前には同じクラスで仲の良い友達のゆずのお兄ちゃんの車が止まっていた。
中にはゆずの彼氏の菊哉(キクヤ)も後ろの席に乗っていた。
「あれあれ?葵くんはお泊まりしてきた感じですか?」
茶髪の髪をワックスで綺麗に整えている菊哉はニヤニヤしながら後ろのドアを開けてくれた。
菊哉も高校の最初はかなりの不良で前に見せてもらった写真では、金髪でピアス付けまくりだった。
そんな菊哉も今は純粋で可愛いゆずの彼氏に相応しくなるために茶髪に染め直した。
「泊まってわりぃのかよ」
菊哉の隣に座った葵は菊哉を軽く睨み低い声でそう言った。
あたしにはそれはかなり不機嫌で怒ってる声に聞こえた。
それを察知したのか
菊哉はそれから葵にもあたしにも何も言わず、1人で不気味にニヤニヤと笑っていた。
「気持ち悪いから止めろ」
葵はその顔を横目で見て冷たく本当に気持ち悪そうにそう呟いた。
ゆずもそう思ってたらしくギャハハハと助席から笑い声がはっきりと聞こえた。
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