GOLD BOY〜不良彼氏〜
走ってる途中、冷房が故障したとかで車内は耐えきれないほどの暑さになっていた。
だから窓側にいた私は窓を開けて程よくくる風を独り占めしてた。
隣に座る葵には少ししか届いておらず、葵は暑そうにネクタイを緩めていた。
それから結婚式場に着くまでにはそんなに時間はかからず
私たちが着いた時には、まだ他の招待客の人たちが来てなかった。
「しかし暑いな」
車から重い足取りで出てくる葵はまたネクタイを緩めて
せっかくワックスで整えた髪を、暑いためにかきあげていた。
「あたしは涼しいけどね」
「あ?何でだよ」
「だって窓から風がガンガン当たってたもん」
嫌みたっぷりに暑がってその場にヤンキー座りしてる葵を上から目線で、そう言ってやった。
そんなムカつくであろう私を葵は元不良を感じさせるくらいキツく睨んできた。
「おまえ、ムカつくな」
「へっ、ムカつけ。そして暑がれ」
日頃の恨みを晴らすべく
最後の最後まで私でもムカつくような台詞を葵に浴びせてやった。
かなりの数、葵には悪戯というか悪さというか、そういうことを付き合ってからもされてきた。
その恨みを返せるのは今日しかない。
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