GOLD BOY〜不良彼氏〜
「え、…あ、え?」
《あ・か・ちゃ・ん・ができちゃったのよ》
「だ、誰に?」
《あたしに》
「…は?」
《夏休みに分かったことなんだけどね?あ、だから夏休みそっちに帰れなかったんだけどね?》
いや、待ってよ。
私聞いてないよ。
てか、いくつ離れてんのよ。
18歳離れてる弟か妹ってどうなのよ。
私の子供でもありえるし。
いや、産む気ないけど。
その前につくる気すらないけど。
………って、
「玲香どうすんのよ!」
《ああ玲香?玲香ならちゃんと面倒みるから平気よ》
「そうじゃなくて!極度のママっこなんだから下にできたら大変じゃん!」
《ああ、そうね。じゃあ、爽也はパパっこにさせるわ》
玲香とは小学四年生の私の妹で、今はお母さんたちと九州の方で暮らしている。
極度のママっこで口癖が『ママ』になっちゃったくらいだった。
そしていきなりお母さんの口から出てきた“爽也”という名前。
……誰それ。
そうしか思えなかった私の耳に届いてきたのは………
《男の子なのよ。名前は爽也って決めたの》
嬉しそうに話すお母さんの声だった。
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