GOLD BOY〜不良彼氏〜
お母さんとの電話が終わって携帯をポケットに閉まった後すぐに葵んちに2人で入った。
リビングらしきところのドアは閉まっていて、けど明かりがついていたから葵の家族がいるんだと分かった。
少し話し声も聞こえて、私がこんな遅くにお邪魔していいのか分かんないから変に緊張してきた。
そしたら葵が手を握って葵の部屋に連れて行ってくれた。
私はそれだけで安心した。
葵の部屋に入ると自然にいつもみたいに話してて、喧嘩してたのが嘘のように思えた。
だからかもしれないけど、私はすっかり謝るのを忘れてて、
謝んなきゃいけないのに気付いたのは話題が私の家族の話になった時だった。
「美鈴って姉妹、妹1人だけ?」
「うん。でもさっきお母さんから電話があってね?そしたら―…」
トントン
お母さんからの電話の内容を話そうとした私の声は、部屋のドアを叩く音に遮られた。
気だるそうにその場から立ち上がる葵が、小さく『ちっ』と舌打ちしたのが聞こえた。
ゆっくりとドアのぶを掴んで回して開けると、そこにはこの前と同じ迫力の緑さんが立っていた。
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