GOLD BOY〜不良彼氏〜



顔面傷だらけの葵が部屋に入ってきたのは怒鳴り声が聞こえてから5分経った頃だった。



髪は乱れ唇の端が切れて血が出てて、着てた制服はネクタイが取れてて乱れてる。



ベットの端に座る私は、ゆっくりこっちへと歩いてくる葵に視線を向けた。



「……大丈夫?」



私がそう言うと、葵は軽く笑みを浮かべた。



「心配してくれてんの?」



人がせっかく真剣に聞いてんのにニヤリと怪しく笑う葵は、ベットにドカッと腰を下ろした。



顔だけこっちに向けてて、足は床についていた。



「心配するに決まってんじゃん、そんなに怪我してんだから」



壁に背中をつけ寄っかかった状態でそう言った私に、ほんのり頬を赤くする葵。



「…な、な何顔赤くしてんのよ」


「お前が可愛いこと言うから」



………っ!



ベットに乗ってるっていうこともあり、葵の発言に一気に顔が赤くなった私は俯いた。



葵に赤い顔を見られると絶対バカにされるのがオチだし、どうせ俯いた時点で分かってるだろうけど。



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