GOLD BOY〜不良彼氏〜



「葵と美鈴ちゃん、痴話喧嘩は後にして早く中に入って」



私と葵の痴話喧嘩というのは、ゆずのお兄ちゃんによって止められた。



もう、菊哉もゆずも外には居なくて
外にいるのは私と葵とゆずのお兄ちゃんの三人だけだった。



葵は私を睨みつつダルそうに腰を上げて結婚式場の中に入っていった。



なんだよ。

あんなに睨まなくてもいいのに。

感じ悪。



私も一人でプリプリしながら、ゆずのお兄ちゃんと一緒に結婚式場に入っていった。




「お、佐々木じゃねぇかよ」




前を歩く葵を

柄にもなくスーツをしっかり着てる今日主役の私たちの担任

通称“つっちー”が気付いて声をかける。



つっちーは若くて23歳で、前々から彼女がいることは私たちクラスメートは知ってた。



だからって、やっぱり普段はジャージを着てるつっちーがスーツを着てるのは不自然。



ってか、ホストみたい。




「嫌々来てやったんだよ」


「あっそうですかぁ。お?でも彼女の美鈴も来てるじゃねぇか」


「つっちーが招待したから来てやったんだよ」




葵のマネをしてスーツ姿のつっちーにそう言ってやると


つっちーに頭を軽く叩かれた。




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