GOLD BOY〜不良彼氏〜
いつこんな距離を縮ませていたのか分かんないくらいに、いつの間にか私の目の前にいた葵。
ジーッと私の顔を覗き込んでて、その透き通った綺麗な茶色の瞳が顔を上げると赤い私を映してた。
「…な、何?」
恥ずかしくなると、しどろもどろになる。
それを分かってて楽しんでるのか知らないけど、さらに葵は距離を縮めてきた。
けど今度は真剣な表情で、ゆっくりと口を開いた。
「あの時何で帰った?」
それは私が忘れてたこの前慎悟くんちに行った時のことを私に聞いていて―…
そのことだと分かったのは、実際短いけど長く感じた10秒後くらいだった。
「話したくないなら無理に話さなくてもいい」
その声は意外にも穏やかで。
「けど、美鈴が自分の気持ちを俺に分かってもらいたいって思うんなら話せ」
私の後頭部に葵の腕が回ってきた。
片方の腕は私の腰あたりに回ってきて、ギュッと力強く葵の胸に抱き締められてた。
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