GOLD BOY〜不良彼氏〜
すると、耳元にあった葵の顔が私の真っ正面に来て
唇を突然塞がれた。
角度を変えながらゆっくりキスしてくる葵に合わせて、最初は抵抗していた私も葵の首に腕を絡ませた。
「……ん…」
いつもより少し荒々しく入ってくる舌についてくことが出来ず
ただただ葵に合わせていた。
「…ぷはっ…」
やっと唇が離れると
目の前にはキスしたからか少し火照ってる葵がいた。
「…ふざけんなよ」
制服のネクタイを左手で緩める葵が色っぽいから、つい見とれちゃう。
無意識に少し開いたブラウスから見える鎖骨に目がいっちゃって
葵が何を話してんのか、頭に全然入んなかった。
「あんだけ誘っといてお預けとかありえねぇからな」
だから私は葵が何の話をしてんのか全然分かんなくて………
「マジ自分が言えねぇからって俺から聞くのもナシとか、ありえねぇから」
分か……
「どんだけ好きかなんて言葉だけで表せられるわけねぇだろ」
んな……
「だから体で教えるっつったんだよ、理解しとけ」
く………
「そもそも誘ってきたのはお前だろ?放置すんのかよ。美鈴のこと今すぐ抱きてぇのに?」
「……死んでも好き」
分かんなくなかった。
.