GOLD BOY〜不良彼氏〜
「俺って女みたいに勘鋭いんだよね」
『ははっ』て声出して苦笑いする慎悟くんは、さっきみたいに爽やかな慎悟くんじゃないような気がした。
慎悟くん?
慎悟くんの異変に気付きつつも、慎悟くんが話を続けるから話題を逸らせなかった。
「だから、美鈴ちゃんが涙こらえながらトイレ行ってくるって嘘ついてんのくらいバレバレ」
「…そっか」
いつもは爽やかに笑うのに、慎悟くんは笑ってるけどどこか悲しそうだった。
「んで、俺に聞きたいことって何?」
「…え?」
「どうしても聞きたいことがあるから今日来たんでしょ?」
慎悟くんは私の心を見透かしてる。
絶対に、見透かしてるから私の気持ちを当ててしまう。
絶対にそうだ。
慎悟くんの人の心を見透かす能力と勘が鋭いことに尊敬しつつも
優しく慎悟くんが私の言葉を待ってくれてるから、私はゆっくりと重い口を開けた。
「あのね……長谷川舞子さん、って……知ってる?」
「長谷川舞子?あのモデルの?」
「そうなんだけど……その……」
しどろもどろにしか喋らない私に慎悟くんは困っているようだった。
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