GOLD BOY〜不良彼氏〜



「ねぇ、葵」


「ん?」


「長谷川舞子と、付き合ってたんでしょ?」



少し肌寒くなってきて、みんなが衣替えで長袖のブレザーを着始めた頃だった。



久しぶりに菊哉とゆずと葵と私の4人でゲーセンやら駅周辺で遊んで、



疲れたからファーストフード店に入って、菊哉とゆずと別行動をすると決めた時だった。



私がそう言うと、




「慎悟か」



一言、そう言った。



特に驚いた素振りもなく、その後はポケットから煙草を取り出し口に銜えた。



本当は、もっと驚くと思ってた。



『ちげぇんだよ』とか

『付き合ってねぇよ』とか

『誰から聞いたんだよ』とか



バレちゃってヤバいって顔するのかと思ってた。



それなのに葵は平常心で、煙草スパスパ吸いながら、片手で珈琲なんか飲んじゃってる。




「隠してたんじゃ、ないの?」


「…付き合ってたこと?」


「うん」


「…別に、隠してたわけじゃねぇよ」



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