GOLD BOY〜不良彼氏〜
だから、疑うように葵を見上げて言ってやったら、私と葵の言い合いは止まんなくなってしまった。
「やっぱ何かしたんでしょ」
「だからしてねぇって」
「だって怪しいもん」
「怪しくねぇよ」
「ふーん、どうだか」
「お前、ムカつくなぁ」
「葵が何か悪いことしたのに、してないって嘘つくから―…」
「おい!お前ら!」
けど、その永遠に続きそうな言い合いを止めてくれたのは、職員室から顔を出す天沢先生。
「悪いが、呼び止めたのは佐々木を説教するためじゃない」
「え?違うの?」
「だから言ったじゃねぇかよ」
自分の予想が外れ落ち込んだ私の隣では、顔を緩めて嬉しそうに何やらぶつぶつ言う葵。
人は一生に何回も予想が外れる時があるし!
別に世界で私だけが予想が外れたってわけじゃないし!
………ただの予想だし。
「だから何もしてねぇって言ったんだよ。ばーか」
それなのに有頂天になって、さっきからムカつくようなことばっか言ってくる葵。
しかも小学生レベル。
「うるさいなぁ、たかが予想が外れたくらいで。頭悪いのは葵の方じゃん!」
だから私まで小学生レベル。
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