GOLD BOY〜不良彼氏〜



少し強張った表情の葵は、下にいる私をジッと見つめてる。



「……んだよ、それ」



そして低い声を出す。



強張った表情をするから、怒ってるのかと思ったら、葵の低い声には楽しそうな声も混じってる。



「な、にが…?」



ただ離れてほしくないから、離さないでよねって言っただけなのに急に押し倒された私。



わけが分かんなくて聞いてみたら、葵はやっぱり低い声を出した。



「さっき城人に言われたの覚えてねぇの?ヤるだけならホテル行けっつってたじゃん」


「え……」


「しかも城人の部屋なら、お前の喘ぎ声聞こえるぞ?」


「…なっ、」



え、エッチしたくて、言ったわけじゃないし……!

なに勘違いしてんの?

私一言もエッチしたいなんて言った覚えないんだけど…!?



「そ、そういう意味で、言ったわけじゃないしっ」


「じゃあ、どういう意味?」



今度は意地悪な顔をする葵。

だったら、私だって堂々としてないと釣り合わない。

言ってやろうじゃないの。

はっきり言ってやろうじゃないの!



「舞子さんに、葵を取られたくないから言ったの!」



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