GOLD BOY〜不良彼氏〜



緑さんはそれからボクシングのゲームにハマってしまい、20分そのゲームでストレスを発散していた。



ゲームが終わった頃、

緑さんは息を乱して『休憩しようぜ』と掠れた声で言った。


外にある自動販売機で飲み物を買ってもらい、『お金は…』と戸惑ってたら、『女には出させねぇ』と言ってくれた。



それで、ゲーセンの外にあるベンチに緑さんが腰を下ろして、次に私も腰を下ろした時だった。



「……おい」



突然隣で低い声を自分に向かって出されたから、
肩がビクってして『な、何ですか?』と恥ずかしく咬んでしまった。



「ありがとな」


「……え?」


「機嫌、直そうとしてくれてたんだろ?」


「……え…あ、いや…」



まさかそんなこと言われるなんて思ってなかったから、今度は日本語さえも話せなくなってきた。



「まぁとにかく、少しは気分良くなったから。ありがとな」


「……あ…いえ…」




ほんとうは、

『余計なことしてんじゃねぇよ』とか『お前に何が分かるんだよ』とか怒られたりするかもって、ドキドキしてた。



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