GOLD BOY〜不良彼氏〜



しばらくすると野次馬もいなくなって、お互いの胸ぐらを掴みあってる2人が私にも見えた。



何のお店かは分かんないけどゲーセンの隣の隣にあるお店。


そのお店は今日休みらしくて、そのお店の閉まってるシャッターに康介さんを葵は押しつけてた。



そして、ふと視線を葵から右斜め下にやると、しゃがんで泣いてる舞子さんが目に入った。



肩が震えてて、ときどき『ひっく…』ってしゃっくりをする音が聞こえた。



舞子さんが横で泣いてるにも関わらず、葵と康介さんは怒鳴りあっている。



すると、泣いてる舞子さんのところに緑さんが近づいて、舞子さんの背中をさすった。



突然背中をさすられた舞子さんは顔を手で隠しながら後ろを振り向いて、緑さんを見つめた。



その間にも康介さんと葵の怒鳴り声が止むことはなくて………



「てめぇが出てくるとこじゃねぇだろうが!勝手に首突っ込んできてんじゃねぇよ!」

「首突っ込まれたくねぇなら暴力振るうの止めろや!」

「あ?暴力だぁ?」

「とぼけてんじゃねぇよ!舞子さんに暴力振るってんだろうが!」



今にも殴りかかりそうな勢いの葵に、さすがデビルの総長の康介さん。


ビビってる感じはさらさらない。



.
< 308 / 459 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop