GOLD BOY〜不良彼氏〜
日頃の恨みの仕返しには仕返しで返してスッキリする。
それが私と葵のストレス発散方法。
だから仕返しされたら、また仕返しで返す。
そんなやりとりが数分続き、2人でソファに座って麦茶を飲んで和んでいる時だった。
「覚悟出来た?」
スーツのポケットの中から煙草を出して、葵はその一本にライターで火をつけながら言った。
葵は中学の時から煙草を吸ってるらしく、今では慣れた感じで煙草を普通に吸う。
私には煙草のことはよく分かんないけど、葵がよく吸ってる煙草の箱には
"MILD SEVEN"と書かれている。
キスをする前に煙草を吸ってる時はよくその煙草の味がする。
その"MILD SEVEN"を吸いながら、私をジーッと見てくる葵。
「…覚悟って?」
馬鹿な私には覚悟の意味が分からず、そう言うしかなかった。
そんな私を見て溜め息をつく葵に"分からなくてごめんね"と心の中で謝っておいた。
「俺の中学時代の話聞きたいんだろ?それ聞くには覚悟がいるっつったじゃん」
「………で、でも……そ、そんなに……怖いの?」
「怖いっつーか、グロい」
私はその一言で
葵の中学時代を知りたくないと初めて思った。
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