GOLD BOY〜不良彼氏〜
葵の家に行く途中には、ここら辺いったいの暴走族や不良たちがたむろってる倉庫がある。
その倉庫は以前何かの工事で、今はただの古い倉庫になってる。
今日は休みだし、バイクで走りにでも行ってるだろうと思って、
普段1人で行くときには遠回りして行ってるのに、今日に限って倉庫の前を通ってしまった。
それは、一瞬だった。
倉庫の前を無事に通り過ぎ、ホッとしながら自転車を走らせてた。
後ろから耳がキーンてなるぐらいのデカいバイクの音が近付いてくるのが分かった。
そして、聞こえた、知らない男の声。
「おい、佐々木の女いたぞ!………さっさと捕まえろ!」
“佐々木の女”
その単語に全身に鳥肌がたった。
逃げなきゃ。
私狙われてる。
でも、そう思って自転車を早くこぎ始めた時には、もう遅かった。
何人かの厳つい感じの男が乗ったバイクが私の前に来て、後ろと左右にも同じように来た。
だから私は逃げることもできなくて、その場で止まっていたら、突然後ろから口を手で塞がれた。
悲鳴をあげることもできず、頭部を殴られた私は、その場で気絶した。
―――……次に目を覚ましたのは、今にも壊れそうな倉庫の中だった。
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