GOLD BOY〜不良彼氏〜

菊哉の“バカップルめ”って言葉にどう反応していいのか分かんなくなった。



たぶん菊哉は、私と葵が別れたことを知らないから“バカップルめ”なんて言ってるんだと思う。



葵が今の言葉を聞いてるのかは分かんない。



葵がどういう意味で、

『菊哉てめぇ怒鳴ってんじゃねぇよ。怒鳴っていいのは俺だけなんだよ』って言ったのかは分かんない。



だけど、やっぱり私の体は正直で頬が赤くなるくらい嬉しいのは確かだった。



出来ればまた戻りたい。

あの頃の、付き合ってた頃の２人に戻りたい。



葵が舞子さんを好きだって別になんてことない。


少しはヤキモチ妬くけど、私のことをまた好きにさせればいいだけだし。


今回だって葵が倉庫に来てくれたのは、私のためじゃなくて自分のためかもしれない。


康介さんとけりをつけたかったから倉庫に来たのかもしれない。



でも私からしたら、助けてくれたことだけで嬉しいから、そんな細かいこと気にしない。



限界だったのは確かだし。

我慢出来なかったのも確か。

けど、葵を最後まで好きでいれる自信だけはあった。



それが唯一私の取り柄だと思う。



だからこそ、葵とまたあの頃に戻りたいって思える。



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