GOLD BOY〜不良彼氏〜
「じゃあ……ご両親に連絡しなきゃダメだよね。俺からする?」
「え?」
大和さんの優しい心遣いに、低い不機嫌な声を出す葵。
「あ?何だよ葵。お前、俺が電話するのに何か文句あるのかよ」
「……いや……」
「あ、あの!」
葵と大和さんのバトルが始まりそうだったから大声で叫んでそれを阻止した。
そんな私に大和さんは『ん?』って優しく微笑んでくれた。
「あたし……今1人暮らししてるので……電話しなくても……平気……です」
「あ、そっかそっか」
せっかく電話しようとしてくれた大和さんにそう言うのは申し訳なかった。
それなのに大和さんは、その後に『じゃあ、寝るときの洋服用意するね』と、気を利かせてくれた。
大和さんは大人で、やっぱり私にとって神様だった。
それは葵も同じらしく……。
「大和さんってかっこいいよな。昔っから俺のこと真剣に考えてくれるんだよ、あの人」
煙草に火をつけながら、落ち着いた声でそう言った。
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