GOLD BOY〜不良彼氏〜
「薬、いらない。でも……」
「でも?」
「葵がほ………」
「あ?」
「………」
「何て言った?」
めちゃくちゃ危なかった!!
やっぱ無意識って怖い!!
“後悔先に立たず”って言葉あるじゃん!!
後先考えずに行動しちゃダメだって分かってるじゃん!!
思わず、
『薬いらないから、葵が欲しい』って言っちゃうところだったよ!!
もう体力ないのに。
あと1ラウンド増えたら体壊れるかもしれないのに。
私って………馬鹿だ。
正真正銘の馬鹿だ。
「何でも……ない」
口元まで掛け布団で隠して、葵から視線を逸らした。
「何か今日のお前さぁ、おかしくね?」
人差し指と中指で挟んだ煙草を銜えて、口元から離すと煙をフーッと口から出した。
そしてまた銜えて、葵は隣で寝てる私を見下ろした。
.