GOLD BOY〜不良彼氏〜
その日の夜はなかなか眠れなかったから、葵に『抱きしめて』って甘えたら、葵が覆い被さってきた。
翌日は親が帰ってくるから、早く起きて部屋をきれいにしなきゃいけないっていうのに、葵は寝かせてくれなかった。
だから、翌日私が起きたのは9時過ぎで………。
「ないない!カップがない!」
「食器棚にねぇのかよ」
年明けのために部屋の掃除はしてたから部屋はきれいなものの、1番必要なものがないという始末。
毎年結婚記念日には私からお母さんとお父さんにペアのものを買っていて、去年はカップを買ってプレゼントした。
そしたら、お母さんとお父さんがそのカップを気に入ってくれて、あまりにも汚したくないからと…。
私が1人暮らししてる、この一軒家に置いておいてくれと頼まれた。
そこで大事に大事に食器棚にしまっておいたはずなんだけど、そのペアのカップが見当たらない。
夕方にはお母さんとお父さんが帰ってきちゃうというのに。
「使ってねぇんだろ?」
「うん。だって2人のだし……………って、あっ!」
「何?あった?」
キッチンを探してもなかったから、リビングを探していた私の目に飛び込んできたものとは……。
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