GOLD BOY〜不良彼氏〜



玲香がキッチンにいる私のところにビニール袋を取りに来て、私はビニール袋を玲香に渡した。



割れたカップの破片を拾い終わったあとは、テーブルでみんなで話すことになり、私は人数分の珈琲を淹れた。



玲香は珈琲をまだ飲めないから、牛乳をたくさん淹れて珈琲牛乳を作ってあげた。



私の隣に葵が座って、葵の前にお母さん、私の前にお父さんが座り、玲香は久々の家だから自分の部屋に遊びに行った。



「お母さんお腹大丈夫なの?」


「大丈夫に決まってるでしょ?もう3人目なんだから慣れたっつーの」


「…ならいいけど…」



もしお腹の状態が悪かったら大変なことだし、やっぱりお腹に赤ちゃんがいたら心配はする。



お母さん1人の身体じゃないんだから、いろいろ気をつけてもらわないと。



「お腹…?」



すると、隣で葵が不思議そうにそう言ったのを聞いて、葵にまだ言ってないことに気がついた。



そういえば、お母さんから赤ちゃんがいることを教えてもらった日は葵と仲直りした日だった。



それで葵のお兄さんの緑さんと久々に会ったりで、大変だったのを覚えてる。



だから葵に言えなかったんだ。

そりゃ葵も私たちの会話を聞いて何のことだか分からないはずだ。



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