GOLD BOY〜不良彼氏〜
「ねぇ、お母さん」
16歳で私を産んだ今のお母さんの年齢は、私の友達のお母さんより断然若い34歳。
「何?つか、何作んの?」
しゃべり方は、今の子に負けたくないからって、私のしゃべり方と何ら変わらないしゃべり方。
「あたし、産まれてきてよかったの?」
今も若くいたいと願うのは、いくつになっても変わらない女の気持ちなのかもしれないけど。
お母さんはまた高校生時代を過ごして、したいことたくさんして、好きなこと好きなだけしたいはず。
私がいなければできたことを、本当はいっぱいしたいって思ってる。
きっと私が産まれたこと、後悔してる。
お母さんは黙ってた。
いつも私が着てるエプロンを着て、冷蔵庫の中身を見てる。
うんともすんとも言わず、頷きもせず、ただ1人で黙々と何を作るのか考えてた。
「お母さんやりたいこといっぱいあったでしょ?あたしが産まれる時、遊びたかったでしょ?」
「………」
「あたしなんか、高校3年間過ぎようとしてるのにまだ遊び足りないんだよ?おかしいよねっ」
「………」
「……だから……」
「………」
.