GOLD BOY〜不良彼氏〜



「言ってないんでしょ?」



近くにあったティッシュの箱からティッシュを数枚取った私は、


ティッシュで数分の間に腫れたであろう目と頬に流れる涙を拭いていた。



「言って……ない……?」



お母さんの言ってることがさっぱり分かんない私は“何のこと?”とでも言うようにそう言った。



「葵とか友達に、あたしの年齢言ってないんでしょ?」



お母さんにさっきまでの真面目さは残ってるものの、いつものお母さんに戻ってる。



もう私が不安になってないって分かったから、いつものお母さんに戻りつつあるんだと思うけど。



やっぱり、さっぱりお母さんが私に何を言いたいのか分からない。



確かにもう不安はないし、これからは我慢しないで、いろいろお母さんには聞いていこうと思う。



今なら、私のお母さんは34歳なんだって胸を張って誰にでも言える。


大切な時間を失ってまで、私を産んでくれたお母さんに心から感謝してる。


お母さんと私を養うために、死ぬ思いで働いてくれたお父さんにも心から感謝してる。



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