GOLD BOY〜不良彼氏〜



噛み合わない会話をしてる私とお母さんを、まだテーブルにいる葵とお父さんが見てるのが分かった。



たぶん私が泣いてるのを2人とも見て、どんな話をしてるのか心配なのも2人の心配そうな視線から分かった。



だから、私は早くお母さんの言いたいことを理解しなきゃ、って思ってたのに。



お母さんはどこまでもゴーイングマイウェイだった。



「あたしのこと嫌い?」



さっき何が言いたいのか、まったく分かんないままいきなり話題が変わるから、私は返事することも出来なかった。



それなのにお母さんは気にすることもなく話を続けた。



「克哉のことは?」



突然出たお父さんの名前に、一瞬肩がビクってした。



でも、お母さんがお父さんのことを克哉って言うのはいつものこと。

お母さんとお父さんは結婚してから今までずっと名前で呼びあってる。



お母さんとお父さんは本当に仲良しで、ケンカしてるところを今まで見たことがないくらい仲良し。



だから羨ましかった。



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