GOLD BOY〜不良彼氏〜
「美鈴が小学4年生の頃だったかな。あたしに『何でお母さんは若いの?』って聞いてきたことがあったの」
「……へぇ」
「それにあたしが『早くに産んだからだよ』って言ったら『そっかぁ』って、何か変だったんだよね。たぶん、その頃にあたしの年齢を気にし始めてた」
「そう……かもしれない」
「だから友達にも彼氏にも、あたしのこと秘密にしてたんでしょ?」
「べっ、別に秘密にしてたわけじゃ…」
「だから、本音言ってくれるまで待ってたんだけどねー。全然あたしに本音言わないからさ」
「……う」
「今日、聞いてやろうって決めて来たの」
お母さんはやっぱりお母さんで。
私の1人のお母さんで。
将来の目標の人で。
私が心の中で謝ると、まるでその謝りが伝わったかのように『あたしは全然気にしてないんだけどね』と呟いた。
ショックだったに違いないのに。
『分かんない』なんて言ってほしくなかったはずなのに。
お母さんはやっぱりお母さんだった。
昔のことをさらっと流せてしまう、すごい人だった。
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