GOLD BOY〜不良彼氏〜
雨が降らないと分かると、私たちはいつも自転車を二ケツして学校に行ってる。
もちろん葵が漕いで私が後ろに乗る。
だから私はかなり楽。
でも今日の帰りは自転車を漕いで帰んなきゃなんないからダルい。
誰か、前漕いでくんないかな…
「葵、ちょっと借りるね」
学校に着いて教室に入るやいなやいきなり菊哉が葵の腕を引っ張って連れ去っていった。
葵は普通に菊哉の後をついて行き私は一人で教室の中に入った。
なんか嫌な予感がする。
前はこんなこと無かった。
私の前では話せないなんて。
そんな話してるのなんて見たことなかった。
しかも………菊哉のあんな怖い表情………今まで見たことない。
私が自分の机でうつ伏せていると私の机がガタッと揺れた。
「おはよー、美鈴」
「ゆず…!」
私の机に座るゆずは最初はニコニコしてたけど後から真剣な表情になるのが見えた。
ゆずまで真剣。
いったい、何があるの?
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