GOLD BOY〜不良彼氏〜



必然的な出会いで葵に会ったからこそ、これからの葵との関係を大切にしたいって思える。



だからこそ、これからのことはしっかりと考えなきゃなんない。

自分のしたいことはなんなのか。

これからどうしたいのか。



特に好きなものもしたいこともない私は、カメラマンというしたいことがある葵に比べたら、まだ子どもなのかもしれない。



大学に行きたいか、行きたくないかって聞かれても、今の私じゃ何も答えられない。



でも私は葵に『短大に行ったらしたいことが見つかるんじゃね?』って言われたから、短大に行く。



………けど最近思う。



“葵に言われたから行く”という考えで、大学2年間も続くのかどうか。

そんな考えで大学に行ってもいいのか。

自分の意志で決めたことじゃないのに、親にお金を払ってもらってまで行ってもいいのか。



「ノック無視しないでよ。静かにヤってんのかって思うから」



葵がベッドで寝て、私が黙々と1人でこれからのことを考えていた間に、
お母さんは私の部屋のドアを何回かノックしたみたいだった。



それにただ単に気づかなかっただけの私たちは、お母さんに静かにヤってたと思われていた。



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