GOLD BOY〜不良彼氏〜



お母さんは夕飯を食べにどこに行くかを聞きに来たらしくて、

私が「どこでもいいよ」って言うと「じゃあ寿司屋にする」って、結局お母さんが決めた。



6時過ぎ頃に家を出て、家から10分くらいで着く近くの回転寿司屋に入った。



家のテーブルと同じ位置に座り、玲香は回転してる寿司を取りやすいように、内側に座らせた。



「今日どうすんの?」



最初のお皿を取ったお母さんは、葵に視線を向けてそう言った。



お母さんはいつも1番重要な“何”をどうするのか言ってくれないから、初めて話した人は理解しずらいと思う。



でも長年お母さんの子どもをやってきた私は、今ではもうお母さんの言いたいことが完璧に理解できるようになった。



だから今回は、葵が今日も泊まるのかって聞きたいんだって理解できた。



「今日は帰り……」


「泊まってく」



だけど、私は葵に向けての質問なのに見事に葵の『帰ります』という言葉を遮った。



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