GOLD BOY〜不良彼氏〜
グスッグスッと泣く私の頭に何かが乗ったと思ったら、それは葵の手だった。
葵は私の頭を優しく撫でて、撫で終わると私の手を握った。
その手が密かに震えてることに気づいた私は、葵も緊張してるんだって分かって嬉しかった。
葵はてっきり緊張してないんだって思ってたから、葵も私みたいに緊張してることで安心できた。
「あたしは別にいいと思うよ。ていうか、同棲するなんて今さらでしょ」
緊張してる私と葵に比べて、お母さんはいつもの口調で動揺することなくそう言った。
「克哉は?どう思う?」
お母さんに話を振られたお父さんは、動揺してるらしくて、なかなか口を開かなかった。
そりゃそうだよね。
急に……自分の娘と同棲させてくださいってお願いされたんだもんね。
その娘の私だって………驚いてるんだもん。
お父さんが動揺するのもしょうがない。
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